2011年5月25日水曜日

別のsynthgms.sf2 (小文字のもの)

SYNTHGMS.SF2はE-muの1MBのサウンドフォントですが、Googleで検索すれば、すぐに同名の別ファイルに関する情報が得られます。これは、楽譜作成ソフトFinaleが音源としてサウンドフォントを使用しており、同梱のものがE-muと同名のsynthgms.sf2だからです(ただし小文字)。

これは偶然なのでしょうか?
SYNTHGMSの名前の由来は以下のような感じになると思います。
SYNTHesized General Midi Sound set (あるいはSamples)?

ですが、偶然同名になるのは確率的に低い気がします。気になっていたので調べてみました。

まずFinaleのsynthgms.sf2を入手するためにデモファイルをダウンロードします。
以下にまとまっています。
http://music.e-frontier.co.jp/product/finale/archive.php (2010以前のバージョン)

デモバージョンをインストールすると、Mac OS10.6.7の環境下ではバージョンに従い以下の場所にサウンドフォントファイルが展開されます。
/Library/Application Support/MakeMusic/Finale 2011/Audio Support/ (2011)
/Applications/Finale 20xxJ Demo/Component Files/ (2004-2010)

以下の表にバージョンごとに内容をまとめてみます。
アプリケーション名サイズバージョン規格 音色数ドラム数  ※1
Finale 2004J Demo21.5MB8.0GM1286
Finale 2005J Demo28.0MB8.1GM1287
Finale 2006J Demo27.3MB8.1GM1307
Finale 2007J Demo33.1MB8.1GM1308
Finale 2008J Demo
Finale 2009J Demo
35.8MB8.1GM1318
Finale 2010J Demo
Finale 2011J Demo
41.6MB8.2GM13111
※1
ドラム数プリセット名(バンク番号)
6Standard(000, 008, 016, 032, 040), Orchestra(048)
7Standard(000, 008, 016, 032, 040), Marching Drums(001), Orchestra(048)
8Standard(000, 008, 016, 032, 040), Marching Drums(001), Latin Percussion(003) Orchestra(048)
11Standard(000, 008, 016, 032, 040), Marching Drums(001), Cuban Percussion(003) , Brazilian Percussion(004), African Percussion(005), World Percussion(003), Orchestra(048)

先にバージョンごとの比較をチェックしておきます。
バージョンアップを重ねるに度に、音色とドラムキットが少しずつ増えています。気になるのが2005から2006の変化で、音色が増えているにもかかわらず容量が減っています。この現象はE-muの場合もありましたが、こちらは単純な変更でHarpsichordとPianoのサンプルが多数消されているだけです(理由までは追っていませんが、未使用だったのかもしれません)。音色数の増加は、最初に001:000 "Piano 1"と001:040 "Solo Violin"、その後001:002 "BoomWacker"が追加されています。サンプルの変化も、E-muのサウンドフォントのように細かな調整はなく、基本的に追加がメインです。


さて問題のE-muのSYNTHGMS.SF2(1MB 音色数128 + ドラムStandard)との比較ですが、サイズとプリセットをざっと見た感じは別物に思えます。以下、E-muのSYNTHGMS.SF2とFinale 2011J Demo版のsynthgms.sf2のサンプル名とサイズを比較した結果です。


クリックで拡大
見て分かる通り、いくつかのサンプルが一致しています(念のため、波形もチェック済み)。結果的にE-muとFinaleのサウンドフォントファイル名が同名なのは、単なる偶然ではなくある種の必然性があるのでしょう。

Finaleの2011バージョンが一部(1/16ぐらい)のサンプルとは言え、1993年のファイルに依存しているのは時代に削ぐわないような気もします。ただFinaleは楽譜ソフトウェアですし、音源はサウンドフォントだけではなくGarritan Instrumentsも使えるみたいですので、この音源はあまり重視していないのかもしれません。しかしそのことに反してパーカッションは驚きの充実ぶりです。この点はパーカッション譜に力を入れていることと関係していると思われます。

ちなみにこちらのsynthgms.sf2は推奨音源にはしません。第一にファイルサイズ故にです。

以下、余談ですが、midif0nはアイコンがフォルテマークです、そしてFinaleのアイコンもフォルテマークです。ただこちらの一致はまったくの偶然です。僕はFinaleの名前は知っていましたが、アイコンを決めた時点ではデモすら一度も使用したことはありませんでした。そんな訳でFinale NotePad 2008もダウンロード仕損なっています。これはちょっと残念です。
※Finale NotePad 2008は無償でしたが、2009から有償になり、過去バージョンが未公開になった経緯があります。


ついでにプリセットの"BoomWacker"って何と思いましたが、"Boomwhacker"のことみたいですね。分類的にはピアノではなくて、クロマティックパーカッションのような気がしますが。

2011年5月14日土曜日

Mac App Storeを使ってみた

最近OSXを10.6.7にアップグレードしました。

もちろんApp Storeアプリケーションを使用して、Mac App Storeにアクセスしてみました。GarageBandをチェックすると、GarageBand '11と表記が出ることに気が付きました。前回の記事で、アプリケーションのアップデート方針について書きましたが、この表記があることからアップデートの方針はよくわからなくなりました。バージョンごとに売り切りの可能性も考えられます。

また前回の記事に、Logicのことも書きましたが、こちらはAppleがFinal Cut Pro XをMac App Storeにて販売することを発表した事から、ほぼ同様の方法を採ると考えられます。Final Cut Pro X同様、ダウンロード版はパッケージ版と比較して値下げが行われる可能性が高いので、Logicを購入する予定がある人は次期バージョンを待ってみるのも手かもしれません。Logic Studioが出たのが、2009/7/23だそうですので、いつ次期バージョンが来てもおかしくないと思います。

Mac App Storeの音楽アプリは、数だけを見るとあまり賑わっているとは言えない状況です。
とりあえずMIDITrailというフリーのMIDIシーケンサーをインストールしてみました。一発でインストールできるのはお手軽で良いですが、この点は驚きというよりは、むしろここまで来るのにずいぶんかかった感があります。このソフトはピッチベンドの表現がおもしろいです。

以下余談ですが、僕はXCode 4.0はまだ導入していません。
理由は、バグ修正は当然ありがたいのですが、全般的に評価が芳しくないためです。特に重いという報告は気になります。
正直、現状のままでもシンボルの検索の正確性の向上、置換の使いやすさの改善、矩形編集の強化等のエディタの基本的な部分を改善してくれるだけで良いのですが(置換と矩形編集はEclipse形式で)。あとiPhoneシミュレーターのマルチタッチのシミュレーションはきっちりできるようにして欲しいところです。

そんな訳で、個人的にはダウンロードしたいアプリケーションはあまりありませんでした。Logicがどうなるかだけは気になります。